Keso de Bola とは、 「表面は赤いのに中は黄色い」フィリピンのボール型チーズ。転じて日和見主義者。       かつてお世話になった、現地の言葉で「灯台」と呼ばれるマニラ湾岸のスラムを、ガラス越しに。
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今日からペナン
 今日から5日間、マレーシアのペナンに行ってきます。7月末までいただいていた某財団のフェローシップのワークショップ。研究者だけでなく、芸術家や活動家など多様な分野の同期フェローが全員、各国から集って各自の研究成果を報告しあうのです。とても楽しみ。マレーシアに行くのも初めてです。
 
 いくら採用前から許可を得ていたとはいえ、こんな時期に1週間もお休みを許してくれる職場に感謝です。
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 成田空港は展望ロビーとか屋外展望場とかがとても充実していてびっくり。あたりまえですが、関空よりずっと大きいですね。うっかりオノボリさん気分で写真を撮りまくってしまいました。少し前まで、私にとって空港というのは「やっと辿りつくだけの場所」で(飛行機が怖いからです)、登場前の時間を楽しむ余裕もなく、空港からも機内からも空なんて見ていなかったのですが、空港から見る空っていいですね。そして、空港って、いいところですね。今度は、何もなくても羽田に行ってみようと思います。
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by saging | 2010-11-19 09:43 | その他
若手研究者の礼儀(反省)
 感動的なつくばでの学会から1日が経って改めて思うこと。
 国際会議をオーガナイズするって、本当に労力の要ることだと思います。参加者の半分くらいが外国人だったそうです。それも、日本ベースの研究者だけではなくてこのためにフィリピンその他からいらっしゃった方も多数。そのロジだけでも大変な作業のはず。基本パネル構成、公募パネル構成、そしてペーパーのアブストラクト審査…と、何年もかけて準備していただき、その都度、詳細なご連絡をいただきました。S先生はじめ実行委員会の皆様、本当にありがとうございました。今回の実行委員の先生方は中堅研究者世代で、たぶん学内でももっとも多くの業務を抱え、科研の業務も抱え、大変なお立場だと思います。

 私は先日、出身大学の「研究員」の資格をいただきました。議員秘書の肩書で研究活動をするわけにはいかないので、本当に幸いなことです。さっそく、尊敬する先生から、来年度申請分の科研の分担者としてのお誘いをいただき、初めて科研の書類というものを真剣に読みました。そして、書類の量と作業の多さにびっくり。申請してくださった研究代表者の先生に、ただひたすら、申し訳なく思いました。

 これまでずっとお世話になりっぱなしだった私たちもアラサー世代も、そろそろ恩返しをしないといけないと思わされました。何年後になるかわからないけれどこのような会議を企画して未来の研究を担えるように、そしてもっと下の世代にこのような機会を提供できるように、いまから準備しないといけないのかなと。そろそろ、自分の報告や議論に一杯一杯になるのではなくて、いまのうちから日々、同世代の研究者(日本人・フィリピン人に限らず)との交流を深め、人脈を広げ、もちろん自分たちの研究もより広げて深めていくことを考えないといけませんね。
 職を得るために、履歴書に書けるように業績を量産すること、規格に合うような(通るような)論文を書くこと、自分の書きたいことを論文に過剰にかぶせて自己満足すること。多かれ少なかれみんなそういうところがあって、それが、不安定な若手研究者の生存術なのだろうな、と思います。
 私はいつも、同世代の院生、あるいは非常勤の仲間たちが、教育者志望のくせに学生の指導とかTA業務についてあれこれこぼしたり(修行なんだからありがたくやればいいじゃん)、科研とかCOEとかその他様々な先生のファンド・プロジェクトに入れていただいているのに、研究会やシンポジウムのアレンジとか会計とか海外ゲストへの対応とか雑用に愚痴を言ったり(お金もらって研究機関でインターンしているようなものだからありがたくやればいいじゃん)、「自分の研究をする時間がない自慢」をしあっていることが疑問でしかたがなく、あなたたちの辞書には、「奉仕」という言葉も、「させていただきます」っていう言葉もないのか?と思って、心の中でかなり苛々することが多いのですが、自分のことに一杯一杯で周りが見えていないという点では私も負けず劣らず自己中だなあ、というかどうして私はそんなに「上から目線」なのか。今回、そう思いました。同年代や、少し上の世代の方々とお話しするなかで。
 私は研究職についていないこともあり、また、院生時代にあまり大学に居なかった(というより日本に居なかった)こともあり、日本の大学の常識がわかっていません。日本の文系の院生が苦労して通る道であるガクシンにも非常勤の公募職にも、ただの一度も応募したことすらありません。だから、それがどのくらい大変なことなのか理解していません。
 来年度の科研が採択されたとしても、私がフルタイム研究職についていないことや、所属機関である母校と現住所(東京)がとても離れていることなど、手続き的な面で、周りの方々や研究代表者の先生にあれこれとご迷惑をかけることは必至だと思います。申し訳ないかぎりです。

 上の世代に非礼を申し上げることも、そして横の仲間たちに甘えて迷惑をかけることも、決して消すことはできないので、下の世代に還元することが恩返しの一歩なのでしょうが、私のように研究職につかないということ(大学で教えないということ)は、つまり、下の世代に還元できる機会がないということで、これもなんだか、私だけフリーライドしているような気がします。って、これも実は一昨日、初めて気づいたのですが。仲良しの研究仲間が
 「僕らももっと下の世代を育てることに意識を向けないといけない」
って言うのをきいて、私はそういうことに本当に無頓着だなあと思いました。もっと意識して、別のところで補って還元できるように考えないとなと。
今回の学会を通じて、そんなふうに反省させられる瞬間が何度もありました。自分の報告に夢中になる前に、そして政治とかなんとか大きなことを言う前に、もう少しもうすこし周りを見渡さないと、きっと、人としてダメな気がします。
 
 いま、21時から開始された衆議院本会議での官房長官と国交大臣の不信任案の投票風景を観ています(ここで観られます)。フィリピンの議会だったら、こういうときは当の本人は立ち上がらないか、そもそも議場に現れないことが暗黙の了解で、それをdelikadesaっていうらしいですよ。礼儀、たしなみ、奥ゆかしさ、作法、または、文化的常識? 礼儀…って訳すのが一番近いのだと思っていますが、いまだに理解できない概念の一つです。
 予算案は明け方までに衆議院を通るのかなー。The night is still young.

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写真は、日曜の朝のつくば。駅前からすでに何もなくてだだっ広いのに、都市開発のディテールに凝っているような、不思議な町でした。セグウェィでも走っていそうな感じ。駅前は夜になると妖艶なイルミネーションで彩られ、屋外メリーゴーランドも! 朝、ホテルのロビーでお茶を飲んでいるときに偶然お隣にいらっしゃった設営関係者の方曰く、メリーゴーランドはこの時期限定だそうです。クリスマスの時期になるとクバオのアラネタコロシアム前やコモンウェルスの空き地に突如として現れる、安全性にかなり疑問が残る簡易遊園地、"Fiesta Carnival"を思い出しました(…って、またマニアックなことを書いてしまいました…ついつい…)。
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by saging | 2010-11-15 22:19 | フィリピン研究
つくばでの幸せ
 つくばから帰ってきました。幸い、行きも帰りもつくばエキスプレス(TEXっていうそうですよ)から振り落とされることもなく。
 楽しかった! 本当に楽しかったです。学会の内容も、自分の報告したパネルに関するnever-endingなディスカッションも、懐かしい方々との再会も、新しく知り合った方々とのおししゃべりも。1日目の晩は悪友たちと朝方まで飲みつづけてしまいました。はしゃぎすぎ。マニラに住んでいたときは彼らが来るたびにそんな飲み方をしていたことを思い出しました。

 前回のこの学会の開催は4年前の06年11月で、ちょうど私がマニラで働きはじめて半年が経った頃でした。フィリピンがASEAN議長国としてサミットを控えていたときです。無理に休暇をいただいて帰国して参加したものの、アカデミックな議論についていけないこと、周りの友人たちは学会だのガクシンだの論文だのと言っているのに自分は一向に博士論文執筆のめども立たないこと、フィリピンに住んで仕事をしているくせに自分自身はなんのアウトプットもできないことなどを思い知らされ、フラストレーションが募る一方でした。友人Wさんと一緒に泊った山谷の安宿で明け方まで愚痴をぶつけまくり、同席していたWさんの彼女(いまは奥さま)に多大な迷惑をかけたことはいまも鮮明に覚えています。

 その後もずっと私は、「フィリピンに住み、高給を受け取り、研究を続けるにふさわしい環境にあるのに思い通りに研究が進まないこと」とか、「自分のテンションをコントロールできないこと」とか、「フィリピン研究のインナーサークルはとても心地よいけれどそれに甘えて『フィリピンオタク』にはなりたくないこと」など、いろいろなアンビバレンツを感じ、「こんなはずじゃないのに」、「こんなことじゃだめなのに」と思ってきました。

 でも、年が経つにつれて、少しずつですが、いろいろなことを自分の中でうまく処理できるようになってきているような気がします。あいかわらずいろいろダメなんだけれど、まあいいか、と思えるようになったというか。
 私は結局研究職を志さず、フィリピンとはほとんど関係のない仕事につき、毎日、お茶を出したり電話を取ったり新聞をチェックしたりエクセルやアウトルックを操作したりしています。タガログなんて絶対話しませんし、日中はフィリピンのことなんてほぼ考えません。夜、家に帰ってから、あるいは朝、家を出る前に、数時間だけ本を読んだり、今回の学会報告のペーパーのようなものを書いたりするくらいです。努力があまりに不足しているし、本当に全然ダメだと思うのですが、それについてあまり不安とか焦りを感じなくてもすむようになってきました。30歳にしてやっと、少しずつ要領が良くなってきたかな、と思います。フィリピン研究仲間とマニアックな話題で盛り上がるのも、純粋に楽しめるようになりました。オタクだってまあいいじゃない? そのぶん、フィリピン以外のことも話せる自分になればいいんだから…と思うようになりました。何かがあって不安やパニックに襲われたとしても、「いま不安だ/いま自分はパニックだ…おとなしくしておこう。そう長くは続かないのだから大丈夫」と思えるようになりました。だからきっともう大丈夫。

 また1週間が始まり、仕事に追われ、緊張の続く職場での日々がずっと続いていきます。でも、私はそれを労働だとは思いません。以前は、フィ●ピン研究会や学会への出席は唯一の休息で休暇で娯楽で、それらは常に労働の対極にあるものだと思っていました。でもいまは、いわゆる「研究者」ではない自分が学会に出て政治学博士として報告したりコメントしたりすることにも、身体の休息や仕事の準備に充てるべき休日に学会に出てはしゃぐことにも、何の問題も感じません。それでいいのだと思っています。いろんな役割を兼ねながら生きることを楽しみたいのです。
 これまでは、学会や研究会が終わるたびに「この幸せをエネルギーにして明日からの労働を乗り切ろう」と思い、仕事で困難を感じるたびに「次の学会を楽しみに走ろう」と思っていたけど、いまはそんなふうには思いません。友人Aさんが以前に言っていたように、研究以外の仕事に従事するフルタイム労働者が、研究を、労働の対価としての休暇と捉えるなんて、おかしすぎます。いまはただ、「昨日も今日もいい日だった。明日からもいい日であってほしい」と思うだけです。結局はどれも、好きでやっているのだから…。

 この4年間でそういうことを教えてくれたすべてのフィ●ピン研究仲間の皆さんと、先生方と、マニラでお世話になった人たちと、マニラの元職場、あと、いまの職場に感謝しています。これからもしばらくは、物理的に可能なかぎり、仕事も学会もエフォート率100%でやっていきたいと思っています。(エフォート率は主観だから。まさか100になることはありません。でも、2つを足して100を切ることもないはず。)
 素晴らしい週末をありがとうございました。本当に楽しかったです。そして、幸せでした。
 フィ●ピン研究仲間の皆さま、これからもよろしくお願いします。
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by saging | 2010-11-15 01:46 | フィリピン研究
国際学会@つくばを控えて

 この週末は、国際フィ●ピン研究学会@つくば。
 ものすごく楽しみで、興奮して眠れません。
 
 楽しみその1は、魅力的な学会プログラム。あたりまえですが、どの国籍のどの報告者が話すことも、すべて、フィリピンについて。プログラムを見ながら、わくわくですよ。世界各地からいらっしゃる著名な先生方のお話、期待で眠れません。
 
 楽しみその2は、尊敬する先生方、先輩方や旧友との再会! 本当に楽しみです。

 楽しみその3は、久しぶりにフィリピンどっぷり、地域研究どっぷりの学会報告ができること。
 私はここ1年以上、学会でも研究会でも講義でもその他いかなる場面においても、何かを報告・発表するときには、「かっちりした報告」をするようにしてきました。リサーチクエスチョン、仮説、分析枠組み、方法論、実証…と進む、オーソドックスなプロシージャーに則ることが、政治学博士/to be 政治学博士)の責任だと思っていました。地域研究者からはものすごく批判されましたが、地域研究から脱却したいとも思っていたのです。でも、勉強不足のため、比較政治の方々にはまったく及ばず。中途半端すぎます。
 加えて、ここ1年以上は、フィリピンマニアにはなりたくないとの強い思いから、タイや日本との比較を視野に入れた報告しかしてきませんでした。
 でも今回は、久しぶりに、全力でフィリピンについてお話させていただきたいと思っています。当Blogでもさんざん取り上げているNoel Cabangonにもスライドでご登場いただく予定。マニアックすぎですが、フィリピン・マニアばかりが集う場ですから! 友人のOさんもフィリピン武術アーニスについて報告するそうですし、4年前に開催されたときは「マッチョ・ダンサー」について報告した人もいましたから、Noel Camangonがちらっと登場するくらいは許されるはず。

 楽しみその4は、初めてのつくば。すごく遠いイメージがあったものですから、先日、秋葉原のつくばエキスプレスの窓口に電話をかけて、
 「事前予約は必要ですか」
と尋ね(新幹線に乗るときと同じようなものかと思って)、
 「いえ、普通の快速ですから。PASMOで乗れますよ。」
って言われて、恥ずかしく思いました。

 …と、とにかく、心待ちにしていた学会なのですが、ここで大問題。
 昨日初めて知らされた、つくばエキスプレスに関する衝撃情報。
 ・在来線でもっとも速く、時速130キロ!
 ・おまけに途中で地下を通る

 130キロ! 振り落とされませんかね?
 地下を通るときもハイスピードなのでしょうか。
 
 ますます気になって眠れません。

 友人の皆さん、もし明日、私が学会に遅刻したら、それは、寝坊ではなくてつくばエキスプレスに振り落とされたからだと思ってください。(って、言い訳にしか聞こえませんね。)

 昨日(金曜日)は仕事で極度に緊張するシチュエーションがあり、そのあとずっとドキドキして、電話応対とか普通の業務はできるものの、なんだかハイな感じで落ち着かず、学会報告の最終チェックにもまったく身が入りませんでした。いいかげん、もう少しうまく切り替えができるようにならないと。
 深夜にジムに行ってプールで泳ぎ、やっと少し落ち着きましたが、あいかわらず、楽しみと不安とで眠れず、かといって学会報告について何かよい案が浮かぶわけでもなく、30歳とは思えないそわそわっぷりです。遠足前の小学生みたい。

 でも、がんばります。本当に楽しみですよ。
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by saging | 2010-11-13 02:56 | フィリピン研究