Keso de Bola とは、 「表面は赤いのに中は黄色い」フィリピンのボール型チーズ。転じて日和見主義者。       かつてお世話になった、現地の言葉で「灯台」と呼ばれるマニラ湾岸のスラムを、ガラス越しに。
管理人sagingより
ホームページ:日和見バナナ

ご連絡はsaging[at]46ch.netまで
以前の記事
検索
カテゴリ
人気ジャンル
ファン
記事ランキング
ブログジャンル
画像一覧
<   2004年 07月 ( 3 )   > この月の画像一覧
フィリピン政府とイラク派兵
ニュースでご覧になった方も多いと思うけれど、昨日、マニラ市で築5年のビルが倒壊したらしい。大学に行くと
「フィリピンのビルは築5年で倒壊するんですか?」
とさんざん多くの人に聞かれてしまった。まさか…。珍しいからニュースになるのであって、そんなにしょっちゅう倒れていたらたまったものではない。まったく、日本で報道されるフィリピンのニュースといったら…。爆発テロ、SARS、国軍の内乱、空港の管制塔の占拠、俳優が人気を集める大統領選…と、ろくなものがない。留学中、いろいろな人が心配してくれたが、これらの断片的なニュースはフィリピンの姿をほとんど伝えていない。(もっともこれはフィリピンに限らず海外のニュースはみなそうだ。たとえば私はインドネシアの最近のニュースについては、大統領選以外は知らない。)SARSやテロよりも、日常的に出会う確率の高い強盗やスリや交通事故のほうが、多くの人々にとってはずっと大きな脅威である。

そんななか、最近、日本で大きく注目されたフィリピンのニュースと言えば、イラクでのフィリピン人の人質事件だろう。この事件を受けて、フィリピン政府は、イラクに駐留していた部隊を19までに完全撤退した。国際社会の批判を受けながらも派兵よりも自国民の人質救出を優先させるという異例の決断があまりにも「あっけなく」短時間でなされたことに、ましてや、あの「米国の52番目の州」とすら揶揄されているフィリピンがこの決断を下したことに、驚いた人もいるだろう。
このニュースを受けるとすぐに「すばらしい決断だ」「日本も見習うべきだ」と言った日本の人たちがいたが、別に、アロヨ大統領が人道的だったわけではない。アロヨ政権がイラクへの派兵を悔恨して勇気ある決断をしたわけでもない。外務大臣が平和主義者だったわけでもない。
現在のフィリピンにとっての国益が、アメリカを優先させるよりも国内の反乱を抑えることにあったからに過ぎない。
アロヨ政権にはあまりに敵が多すぎる。
・このたびの大統領選で敗れた大統領候補のフェルナンド・ポー陣営(彼らは選挙後何度も大規模なラリーを繰り広げており、アロヨ陣営が不正を行ったとして司法に訴えるつもりらしい)
・元エストラダ大統領やフェルナンド・ポー候補を支持していた貧困層
・米国追随の姿勢に強い反感を持つ知識階級、左派
・米比合同軍事演習やアロヨ政権のムスリムへの弾圧政策によって不利益をこうむっているイスラム教徒(各派)
・中道左派の平和団体、平和主義者
・反戦を唱えるキリスト者
10月18日にブッシュ大統領が初めてのフィリピン訪問をおこなったときには、メトロマニラの各地でデモが起こった。人々は「おお、下院に着いたらしいよ」、「これからマラカニアン宮殿に移動だってよ」などと言いながら、ラジオやテレビにかじりついていた。どの家からも、どの店からも、ラジオ中継の声が聞こえてきた。翌朝は、普段は英字紙など読まない貧困層の人々もが英字主要紙を買い求めてブッシュ大統領とアロヨ大統領のスピーチを読み、軒先で熱い議論を交わしていた。(ブッシュ大統領が来日したとして、日本の人々はあんなにニュースを注視するだろうか?)

これに加えて、フィリピンでは実に人口の1割にもあたる700万人が海外に出稼ぎに出ており、うちイラクでは4000人が働いているという現状がある。もしイラクで人質(アンヘロ・デラクルス氏)が殺害されたら、「明日はわが身」と考えている出稼ぎ労働者とその家族からの政権バッシングはすさまじいものになるだろう。
5月の大統領選でさんざん苦戦を強いられた(少なくともマニラ首都圏ではアロヨ氏は十分な支持を得られなかった)は、いま、国内の反乱を何よりも恐れている。毎年7月の最終月曜日は上下院の開会日であり、大統領は下院で施政方針演説SONA(State of the Nation Address)を行う。政権に異議を申し立てようとする市民団体や左派グループは下院の周りで大規模な街頭集会をくりひろげ、毎年、この日には下院に続くコモンウェルス大通りは通行どめになり、盾を構えた大量の警官や迷彩服の軍人らが警備にあたり、ものものしい雰囲気をかもし出している。もしも、人質の身に何か起こっていれば…7月26日は空前のSONAになるかもしれない。政権転覆運動、「エドサ4」が起こるかもしれないのだ。

先日、フィリピンの友人からきたメールにも、次のように書かれていた。
「アロヨが最後の1ヶ月で支持を逆転させて選挙に買ったのは、地方選挙区の下院議員への裏工作があったからだ。最後に伸びた票はすべて地方だ。マニラ首都圏における彼女の支持率は極端に低い。今年のSONAは政権にとって脅威となる。活動家たちは皆、下院での裏工作のことを知っているから、下院前のラリーは白熱するだろう」

だから、「同様の人質事件を誘発する」との批判、特にアメリカからの批判をさんざんに浴びてでも、アロヨ政権は、人質の救出を対米配慮より優先させざるを得なかったのである。
当たり前のことだが、日本政府もフィリピン政府も、国益を優先させたことに違いはない。(政府に人道的な外交を求める『市民派』のみなさん、人道的な国民国家なんてありえるものでしょうか?)
日本の国益は米国からの庇護なしには実現しないから日本政府はイラクに自衛隊を送り続けるべきと判断され、フィリピンにとっての国益とは、国内の反政府分子を鎮圧することでしか実現しない、と、そう判断されたにすぎない。

SONAに関する情報は、大統領府のサイトからSONA特集のページへ。
http://www.gov.ph/sona/default.asp
アロヨ大統領の就任以降のスピーチ原稿が閲覧できます。
[PR]
by saging | 2004-07-25 00:47 | フィリピン(全般)
「グループタイタイ」さまからのプレゼント
修士論文に没頭するあまり、いまだに就職先が決まらず(←大嘘)そのうえ、副業の英語・タガログ語の翻訳の仕事がかさみ、2週間前に新潟で開催された「フィリピン研究会全国フォーラム」でフィリピン研究の魅力を再認識し…就職どころか、依然として「フィリピン熱」にとりつかれている今日このごろ。この夏はフィリピンには行きません。修士論文を書くまでは絶対に行きません。今度行ったら、それこそ、もう二度と帰りたくなくなってしまうことでしょう。

修士論文と翻訳と就職情報探しとで、朝から深夜までほとんど一日中パソコンに向かう毎日。そんなとき、素晴らしいプレゼントをいただきました。パソコンやOA機器の上に置くトルマリン・竹炭入りの「癒し系」ぬいぐるみです。
私がいつも楽しみに巡回している「考えるノート」というサイトhttp://grtaytay.hp.infoseek.co.jp/ で、昨年11月に行われていた「開設2周年記念クイズ」http://grtaytay.hp.infoseek.co.jp/kiriban.htmで、正答者の中から抽選に当選した賞品です。管理人の「グループタイタイ」のラピス&パペルさんから送っていただきました。(なぜ今頃かというと、私が自分の住所をお教えするのをすっかり忘れていたからです。)
このウサギ、ちょうど良いサイズで、デザインもカラーもなかなかシンプルです。いろいろな癒しグッズがあるのは知っていましたが、なんといっても私には、「マイナスイオンもチタンテープも科学的根拠がねーよ」と馬鹿にする理系の弟がいるので、こういうものを買おうと思っても、ついつい躊躇してしまうのです。ラピス&パペルさん、ありがとうございます。

b0031348_0514126.jpg

[PR]
by saging | 2004-07-21 21:48 | その他
新潟へ
今週末は、新潟で開催される「フィリピン研究会全国フォーラム」で発表をさせていただくので、
期日前投票もしてきたので、あとは明日から新潟…と言いたいのだけれど、現在、土壇場の追い込みで、パワーポイントによるプレゼンテーションを準備している。なにせパワーポイントなどめったに使わないので、操作は遅々として進まず、いつも、あとになってから
「どうしてパワーポイントを使う気になったんだろう、普通のレジュメでじゅうぶんなのに」
と思ってしまう。別に、アニメーションを入れたりデザインに凝ったりしているわけでもないのに…。パワーポイントの良さをちっとも生かせていないようだ。

このフォーラムは毎年開催されていて、裾野の広いフィリピン研究者の方々が出席されている。
プログラムはこちら。→http://www.d1.dion.ne.jp/~zmackey/page044.html …すばらしく魅力的なタイトルばかり。
今年は、衛星システムによって新潟の会場とフィリピンの会場が結ばれるとのこと。実行委員の方々のご努力と近代技術の賜物ですね。ありがとうございます。
[PR]
by saging | 2004-07-09 02:53 | フィリピン研究