Keso de Bola とは、 「表面は赤いのに中は黄色い」フィリピンのボール型チーズ。転じて日和見主義者。       かつてお世話になった、現地の言葉で「灯台」と呼ばれるマニラ湾岸のスラムを、ガラス越しに。
管理人sagingより
ホームページ:日和見バナナ

ご連絡はsaging[at]46ch.netまで
以前の記事
検索
カテゴリ
人気ジャンル
ファン
記事ランキング
ブログジャンル
画像一覧
新居
 また、帰りの地下鉄で喧嘩を見ました。乗ろうとした車両でちょうど掴み合いの喧嘩が進行中で、若い男性がホームに降り立って大声で駅員さんを呼んで、駅員さんが当事者を車両から引きずり降ろしました。怖くてたまらない私は、いったん地上に引き返すためにホームを歩いてエスカレーターに向かったのですが、引きずり降ろされた当事者の一人は車両の壁を殴る蹴るの大騒ぎ。私は、気持ちを落ち着かせるために一駅歩いてから、別の線を使って帰りました。
 私は外回りはほとんどしませんから、朝と夜の1日2回しか地下鉄に乗ることはありません。それなのに、月に3回くらいは、喧嘩や「危ない人」に遭遇します。靴を踏んだとかなんとかで口論している人(女性同士でも!)は頻繁に見かけますし、酔っ払って車両に寝ている人や叫んでいる人は珍しくありません。2週間前の土曜日には、数メートル先を歩いていたおじさんが突然、下りのエスカレーターにダイブするように乗り込んだかと思うと、そのまますごい音を立てて転げ落ちました。前後に誰もいなかったことが不幸中の幸いで、エスカレーターの下にいた人がすぐに緊急停止ボタンを押しましたが、おじさん、頭から血が出ていました。周りの方によると、その前から駅構内をふらついておられたとか。17時台なのに、酔っ払っていたようです。
 あれ以来、私はエスカレーターに乗るときは必ず前後を確認します。怖いものがまたひとつ増えました。
 エスカレーターの中ほどで倒れている酔っ払いのおじさんのところに駆け寄り、肩を貸して駅員さんのところに連れて行ったスーツ姿の男性もいたというのに、つくづく、私は自分のことしか考えていません。でも本当に怖いのです。マニラの高架鉄道で鞄を切られた私ですが、東京の地下鉄の恐ろしさは、それを上回っている気がします。
 地下鉄を利用していて唯一、安心できるのは、終電に近い電車から降りて地上に出たとき。まもなく業務を終える地下鉄の出入口付近に、作業服姿の男性の方々が立ち話をしながら待っておられます。電車の止まっている真夜中に、あんなに暗くて深い地下で、線路や車両のメンテナンス作業をしてくださるのでしょう。ものすごく頼もしく思えて、最敬礼したくなります。

 地下鉄に乗りたくない、というだけで引っ越しを決めた日から2ヶ月半。ようやく、新居が決まりました。1ヶ月半以上、ス●モとかat ●omeとかC●INTAIとかで探して、不動産屋を回って内見させていただいて、でもどれも気に入らなくて…の繰り返しだったのですが、やっと、住みたいと思える場所が見つかりました。
 職場から自転車で通える距離で、6階建マンションの最上階、30平米を超える1DKです。築40年、いかにも古いマンションって感じの建物ですが、数年前に耐震工事が施されていて、内装は昨年リフォームされてとてもきれい。洗濯機も室内に置けますし、独立洗面台がついていて、収納も大きくて、管理人さんも日勤されています。家賃が驚くほど安いのは、どの駅からも離れていて、おおよそ自転車通勤には向かない坂の上に位置しているからかと思いますが、そのぶん眺望が良くて、南向きの広いベランダがついていて、本当に素敵な物件です。

 住居さがしというのはつくづく、深層心理が露わになるプロセスだと思います。
 通常、不動産を借りるときには、希望条件を挙げて、それに優先順位をつけて、予算に合わせながら、譲れないところと妥協できるところを振り分けていくわけですが、実際にいろいろと物件を見ていくうちに、思いもよらなかった自分の欲望に気づいたり、大切だと思っていたところがどうでもよくなっていたりするのです。
 私は当初、自転車置き場があって2階以上でガスコンロが2口以上ある25平米以上の物件なら、どこでもいいと思っていました。(いまの家はワンルームなので台所が狭く、効率の悪い電熱コイルが1つしかありません)。
 決して難しい条件ではないはずです。7万円も出せば、四谷の古いマンションくらい借りられると思っていました。
 ところが実際に物件をあれこれ内見してみると、私が惹かれる物件というのは、30平米以上あって、窓が大きくて陽当たりが良く、ベランダが広くて、お風呂が清潔な物件ばかり。25平米のワンルームさえ狭く感じました。古いアパートはどれも、水回りの掃除のしにくさが気になってダメでした。いま住んでいる物件の見晴らしが良すぎるせいか、窓から隣家の壁しか見えない物件やベランダの狭すぎる物件も「論外」と思ってしまいました。
 私は、自分が広さやベランダやバスルームにそんなにこだわりをもっていたなんて、まったく自覚していませんでした。いま住んでいる部屋(25平米)を特に狭いと思ったことはないし、日中に自宅にいることはまずないので陽当たりや眺望なんてあまり関係ないと思っていました。洗濯は好きですが平日は部屋干しですので、そんなに毎日ベランダを使うわけでもなく。お風呂も、バランス釜(四谷エリアの安い物件の大半はバランス釜です)でいいと思っていました。私は基本的にジムでお風呂に入るので、いま住んでいる家でも、バスタブにお湯を張ったことがないのです。
 でも考えてみたら、私はいつも内心で、25平米のワンルームを狭すぎると思っていたのかもしれません。そして、そんなこと思っちゃいけない、都内で25平米あれば上々でしょ、と無理に自分に言い聞かせてきたのかも。マニラでは、元職場在職中は39階90平米、その後のフィリピン大学所属中も4階40平米の部屋に住んでいたので…。
 ベランダについても、いま住んでいるマンションのベランダが狭く、布団が干しにくいうえに、物干し竿が胸の高さくらいのところまでしかかけられないことに、内心、いら立っていたのかもしれません。
 そしてバスルーム。私はバスタブにお湯を張ることこそしませんが、冬でも毎朝、夏はそれこそ日に3回くらいシャワーを使い、そのたびにバスルームを掃除します。が、いまの家のユニットバスは、バスタブの外側の「エプロン」部分が外せない構造になっていて、私はそのことが不安でたまらないのです。エプロンを放置すると、内部がカビと水垢と害虫の温床になる気がして、気が気ではありません。毎週末、細長いブラシを差し込んでエプロン内部を無理やり洗い、隙間からキッチンハイターをスプレーしまくっています。工務店の方に来ていただいて相談し、そんなところ掃除しなくても大丈夫ですよ、と笑われましたが、私は気が気ではありません。
 …いまでさえこんななのに、古いアパートのバランス釜の物件に住むとしたら、エプロン部分どころかバランス釜の四方の隙間まで磨かなくてはなりません。初めてバランス釜の物件を見たときにそう思い、以後はそればかり考えてしまって、お風呂場の掃除のしやすさにしか目がいかなくなってしまいました。やっぱり、最近の住宅のお風呂――エプロンが外せるバスタブ、あるいはバスタブが床や壁と一体化してエプロンのないユニットバス――がいいなあと。

 …そんなわけで、すぐ見つかるだろうと思っていたのに、案外、気に入ったものは見つからず、予算や立地の考え直しを迫られ、時間ばかりが過ぎてしまいました。さすがにすこし焦りはじめていたところ、たまたま見に行った物件をものすごく気に入ってしまい、15分で即決。
 南向きで広くて、窓が多くて、明るいのです。窓が多いって、夏は暑くて冬は寒いのかもしれませんが、それでもいいです。内装は新築みたいにきれいだし、キッチンは広いし、バスタブもとても清潔。
 いまよりきれいにするために、頑張って磨きます。

 実は、この物件に決める数日前に、別の仲介業者さんの紹介物件で気に入った物件があって申し込みをした(つまり私の勤務先や年収や連帯保証人情報をお伝えした)のですが、私の職業が原因で、大家さんに繋いでいただくことすらできませんでした。私の現在の職業が、そして私の上司が、多くの敵をつくるものであることは承知していますが、逆に言えば、家賃を滞納したりトラブルを起こしたりする可能性は限りなく低いはずなのに(そんなことをしたら、私たちが一番恐れている「週刊誌」に書かれます)。
 …ともかく、契約前にこのような勉強をさせていただいただけ、幸せだと思っています。
 そして、今回決めた物件は、ダメだった物件よりはるかに素晴らしく、仲介業者さんは地域密着で物件情報に詳しく、担当者の方は非常に誠実で信頼できる方です。オーナー法人兼管理業者の担当者の方々も、とても親切です。このご縁を、大切にしたいと思います。

 友人の皆さま、ぜひ、気軽に遊びに来てくださいね。
 この物件の一番の特長はベランダです。不思議なくらいに広いのです。BBQセットを置いてテントを張れそうな広さです。暖かくなったら、東南アジアでおなじみの小さな白いプラスチックのテーブルや椅子をホームセンターで買ってきて、ベランダに置くつもりです。
 そして、暖かくなったら、植物もたくさん置きたいです。私は現在、自宅でモヒート(ラムベースのカクテル)を楽しむためにスペアミントを鉢植えで細々と育てています。新居ではもっと生い茂るくらいにハーブを植えて、レモングラスやパクチーも植えて、お茶やタイ料理に贅沢に散りばめて楽しみたいです。
 ちょっと狭いのですが、DKスペースでよろしければ、お泊りいただくこともできるかと思います。近いうちに寝具も揃えておきますので、いつでもお越しください。
[PR]
by saging | 2011-11-17 00:27 | その他